One of them inc.

2026.08.15

AI時代のプロジェクトマネジメント

誰が引き受けるのか。プロジェクトマネジメントの二つの意味

決裁の印を押す手元と、コードが開いたノートPC。AIが書いたものを本番に出す判断を表す

「AI駆動開発のプロジェクトマネジメント」には二つの意味があります。一つは、AIで進捗や書類を回す仕事。もう一つは、AIが書いたコードを誰が引き受け、本番に出せる状態にするかを先に決める仕事です。株式会社ワンオブゼムが主柱にしているのは後者で、中身は三つあります。仕様をAIに渡せる粒度まで割ること、AIをどこまで使うかを先に決めること、何を確かめれば合格かを実装前に人が決めることです。

二つの意味

同じ呼び方で、中身が違います。検索しても、記事を読んでも、どちらを指しているのかが混ざったまま残ることがあります。

意味AはAIでPMを回す仕事、意味Bは書いたコードを引き受ける仕事。この記事は意味Bだけを扱う対比図
意味A。AIでPMを回す 意味B。書いたコードを引き受ける
主語 プロジェクトマネージャーの手元の作業 発注側が本番に出す直前の判断
AIが肩代わりするもの 進捗の整理、議事、リスクの下書き コード、テスト、書類の下書き
残る問い どのツールで回すか 誰が責任を持って出すか
買い手 PM本人、ツールの導入担当 情報システム部長、事業部長、内製に着手したあと進まなくなった責任者

意味Aの解説は、すでに多く出ています。この記事は意味Bだけを扱います。

書いたコードを引き受ける、とは

もう少し具体的に言うと、AIが書いたものを誰の責任で本番に出せる状態にするか、実装の前に決めておく仕事です。

AIに書かせること自体は、いまや多くの会社ができます。短くなるのは書く時間だけです。作るものを決める時間と、出来上がったものを確かめる時間は、むしろ増えます。

止まる場所は、技術そのものではありません。人向けに書かれた要件をそのままAIに渡すと、動くものは出ても意図とは違います。機密や権利の線引きが無いまま、情報システム部門が承認できません。AIが実装もテストも書くと、テストが全部通っても本番で壊れます。この三つです。

主柱の一行は、次の問いにしています。

AIが書いたコードを、誰が引き受けるのか。

詳細はAI時代のプロジェクトマネジメントに置いてあります。

先に決めておく三つ

型は、発注側が踏む場所に合わせて三つに分けています。雛形の公開は、この記事ではしません。決まっていないと止まる場所だけを書きます。

実装前に決めておく三つ。仕様を割る、AIの線引き、合格条件
決めごと 発注側で起きていること 先に決めること
仕様を、AIに渡せる粒度まで割る 人向けの要件をそのまま渡すと、動くものは出ても意図とは違う。手戻りは、人手だけの開発より大きくなる 何を確定させてから実装に入るか。分割の単位と、渡す前の確定事項
AIをどこまで使うかを先に決める 生成コードの権利、機密の扱い、責任の所在が決まらず、本番リリースの判断が止まる 適用範囲、入力してよい情報、承認の流れ。社内の生成AI利用規程とは別物
何を確かめれば合格かを、実装前に人が決める AIが実装もテストも書くと、テストが実装の写し鏡になり、検証として成立しない 受け入れ条件、テスト方針、レビュー範囲。AIが一日に出す量は、人が全部読める量を超える

三つ目は、まだ一般に言葉になっていません。テストが通ったことと、出してよいことは違います。

どちらを探しているか

探している語が、どちらの意味に近いかだけを見ます。費用の安さや期間の短さを求めている語は、この記事の対象ではありません。

近い語 意味 この記事での扱い
AIで進捗を回す、AI駆動PMツール、議事の下書き 意味A 扱わない
書いたコードの責任、本番の承認、情シスが止めている 意味B 扱う
社内の生成AIガイドライン、従業員が使ってよいツール 別の意図 扱わない。開発案件の線引きとは別
委託の費用、期間短縮、何週間で作れるか 単価の土俵 扱わない

開発を頼まなくても、三つだけを頼める

当社が実装を担当しない案件でも、仕様の割り方、AI利用の線引き、合格条件とレビュー範囲の設計だけをお受けできます。内製に着手したあと進まなくなった段階からでも、同じ三つです。

決めるだけでなく、そのまま手を動かして本番稼働まで運ぶ形もあります。考え方はAboutに、相談はお問い合わせにあります。

よくある質問

AI駆動開発のプロジェクトマネジメントとは何ですか

AIが書いたものを、誰の責任で本番に出せる状態にするかを、実装の前に決めておく仕事です。進捗や書類をAIで回す仕事ではありません。

AIでプロジェクトを管理することとの違いは何ですか

「AIでプロジェクトを管理すること」は意味Aで、PMの手元の書類や進捗をAIが下書きします。この記事が扱う意味Bは、書いたコードを誰が引き受けて出すかを先に決めることです。呼び方が同じでも、買い手も成果物も違います。

「誰が引き受けるのか」は、具体的に何を指しますか

生成されたコードの権利、機密を入力してよいか、問題が起きたときの責任、本番に出してよいかの判断です。ツールの操作者のことではありません。

開発を頼まなくても相談できますか

できます。仕様の割り方、AI利用の線引き、受け入れ条件とレビュー範囲だけをお受けしています。

なぜ合格条件を実装前に決めるのですか

AIが実装とテストの両方を書くと、テストが実装の写し鏡になります。全部通っても、確かめたことにはなりません。合格の物差しは、人が先に持ちます。

AI利用の方針は、社内の生成AI規程と同じですか

違います。社内規程は、従業員がどのツールに何を入力してよいかです。ここで言う方針は、この開発案件でAIに何を渡し、生成物を誰が引き受けるかです。

AIを使うと開発は安くなりますか

書く時間は短くなります。決める時間と確かめる時間は増えます。安くなる前提では進めません。

雛形やチェックリストは公開していますか

この記事では出していません。決まっていないと止まる場所だけを書いています。案件ごとに書き起こします。

情報システム部門が承認できない、とはどういう状態ですか

権利、機密、責任の所在が文書になっていない状態です。動くものはあっても、出してよいと言い切れず、リリースの判断が止まります。

内製に着手したあと、進まなくなった場合も対象ですか

対象です。止まっている場所が、仕様の割り方・AIの線引き・合格条件のどれに当たるかを先に見ます。当たるなら、実装の前にそこを固めます。

この内容を、プロジェクトで一緒に進めます

仕様の割り方からAI利用の線引き、受け入れ条件の設計まで先に決め、そのまま手を動かして本番稼働まで運びます。